1. 正体
1000元札の裏面に描かれている鳥は帝雉(ミカドキジ)(英名:Mikado Pheasant、学名 Syrmaticus mikado)。
台湾固有種で、中央山脈一帯の高標高帯に生息します。

2. 見分け方
- オス:黒〜濃紺の地色に細かな白い斑点、非常に長い尾羽。光が当たると青味の金属光沢。
- メス:全体に茶色で斑が目立つ落ち着いた配色、尾は短め。
- 歩き方・所作:林道の路肩で静かに採餌しながら数歩ずつ進む。驚くと素早く藪に入る。
- 似た種との違い
- スインホーキジ(藍腹鷴):青みが強く、顔の裸出部が赤く、尾先が白っぽい。帝雉よりふっくら見える。
- タイワンオナガドリ(台湾藍鵲):カラス科の青い鳥。細長い青い尾と赤い嘴で樹上生活中心。キジ類ではない。

※こちらがタイワンオナガドリ(台湾藍鵲)
3. 生息環境・行動
- 標高帯:おおむね1,500〜3,000mの常緑広葉樹林〜針広混交林。
- 時間帯:夜明け〜朝8時、**夕方(16〜18時)**に林道や林縁へ出やすい。
- 食性:木の実・種子・芽・昆虫などを地上で採食。
- 繁殖期の目安:春〜初夏。オスの行動がやや活発になる。
4. “実際に会える”代表スポット(アクセスしやすさ順)
いずれも1泊+早朝行動が現実的。日帰りなら天候・交通・時間に余裕を。
- 大雪山国家森林遊楽区(台中)
林道のkm23〜50帯で目撃例多数。園内ロッジ泊で夜明け直後に狙うのが定番。 - 合歡山(清境・武嶺周辺)
3,000m級の高原道路。日の出直後の路肩でのばったり遭遇が多い。 - 武陵農場
園内の林縁・遊歩道で徒歩観察しやすい。宿泊前提だと確率が上がる。 - 雪覇国家公園・観霧
観霧林道付近の朝夕にチャンス。霧が出やすいので視界に注意。 - 玉山国家公園・塔塔加(阿里山線側)
標高2,600m前後の車道沿い。雨上がり翌朝に動きが良い日がある。

5. いつ行くのが良い?
- 季節:通年可能。春〜初夏(4〜6月)**は活動的で観察しやすい傾向。
- 時間:朝夕の2コマ集中(夜明け〜朝8時/16〜18時)が最も効率的。
6. 観察プランの組み方
- DAY1:都市部 → 山域へ移動 → 夕方に下見(林道の路面・見通し・駐停車可能地点を把握)
- DAY2:夜明け前に出発 → 時速10〜20kmで林道を流し見 → 反応があれば短距離のみ徒歩観察 → 朝食後、もう一往復して撤収
7. 最低限の装備メモ
- 双眼鏡(8〜10倍)/防寒・レインウェア(高山は夏でも冷える)
- 滑りにくい靴/ヘッドライト(出発は暗い)
- 写真派は300〜500mm相当が使いやすい
8. 要点まとめ
- 1000元の“青いキジ”は帝雉(ミカドキジ)。台湾の高山帯に暮らす固有種。
- 大雪山・合歡山・武陵農場が三大定番。朝夕に集中させると出会い率が上がる。
- 見分けは**「黒〜濃紺の体+白い斑点+長い尾」**。スインホーキジや青いカラス科(タイワンオナガドリ)と取り違えないこと。
出発地・日数・移動手段が決まっていれば、観察地と時間割を時刻入りプランに落として提案します。