— 名前の由来と産地で選ぶ、ぜったい失敗しない7本

迷ったらこの順でどうぞ。
① 阿里山の高山烏龍 ② 凍頂烏龍(鹿谷) ③ 東方美人(新竹・苗栗) ④ 木柵鉄観音(台北) ⑤ 文山包種(坪林) ⑥ 日月潭紅茶〈紅玉18號〉 ⑦ 金萱(“ミルク烏龍”)
ここからは「どこで採れる?名前の由来は?どんな味?」を、買い物の現場で役立つサイズにまとめます。
1) 阿里山の高山烏龍(嘉義・阿里山郷)
産地:標高1,000–1,600m。朝霧と寒暖差で香りが乗るエリア。
由来:地名そのまま。“高山烏龍”は1,000m以上の総称。
味わい:蘭のような香り、透明感のある甘み。迷ったらまずコレ。
相場の目安:100gで約NT$400–1,000(等級差あり)。
入れ方:熱湯90–95℃、茶葉5g/150ml、60秒→短めで複数回。
2) 凍頂烏龍(南投・鹿谷)
産地:南投県・鹿谷郷、凍頂山の周辺。
由来:山の名前。「凍頂=凍える山頂」ではなく、地名に由来。
味わい:中焙煎で香ばしい。ナッツやカラメルのコク、後口は甘い。
相場:100gでNT$400–900。焙煎が深いほど上がりがち。
入れ方:95℃、やや長め(70–90秒)。中~深焙煎が好きな人に。
3) 東方美人(新竹・苗栗)
産地:新竹・苗栗の丘陵地(北埔・峨眉など)。
由来:夏の新芽が小緑葉蝉に吸われることで“蜜香”が出る半発酵茶。英国王室に献上した逸話から“Oriental Beauty”の名が広まったと言われます(諸説あり)。
味わい:白葡萄・蜂蜜・熟果の香り。スイーツとの相性抜群。
相場:希少で高め。50gでNT$400–1,000。
入れ方:90–95℃、60–90秒。香りを楽しむなら湯冷まし気味で。
4) 木柵鉄観音(台北・木柵)
産地:台北市文山区・木柵。
由来:福建伝来の“鉄観音”品種と、観音菩薩の伝承にちなむ名。台北・木柵は炭焙の重厚スタイルで有名。
味わい:焚き立ての木の香、黒糖のような甘苦さ。食後向け。
相場:100gでNT$600–1,200。陳年はさらに上。
入れ方:95℃、しっかり目(90秒)。湯を“高い注ぎ”にすると香ばしさが立つ。
5) 文山包種(新北・坪林/石碇)
産地:新北市の坪林・石碇エリア。
由来:昔は紙に包んで売った“包種”茶の流れ。細長い茶葉が特徴。
味わい:とても軽い発酵。ジャスミン系の青花・青葉の清香。水出しにも最適。
相場:100gでNT$300–700。
入れ方:85–90℃、40–60秒。軽やか路線が好きな人へ。
6) 日月潭紅茶〈紅玉18號〉(南投・魚池)
産地:南投・魚池郷、湖の周辺。
由来:台湾の試験場が育成した**台茶18號(紅玉/Ruby 18)**という品種名。
味わい:ミントやシナモンを思わせる清涼感と厚み。ストレートで主役級。
相場:50gでNT$300–700(品質差が大きい)。
入れ方:95℃、2–3分。ミルクティーもいけるが、まずは素で。
7) 金萱(“ミルク烏龍”)
産地:南投・嘉義ほか広域。
由来:育成番号台茶12號。品種由来の乳香が出やすく、海外では“Milk Oolong”の通称。
味わい:バター・練乳系の香り、やわらかい甘み。初心者にも人気。
相場:100gでNT$300–700。
入れ方:90–95℃、60秒。水出しで甘みがきれいに出る。

失敗しない“ラベル読み”ミニ辞典
- 春茶/冬茶:人気の二大シーズン。春は香り、冬は甘みが乗りやすい。
- 清香/焙香:軽やか香り系/焙煎香しっかり系。好みで選ぶ。
- 手採:ハンドピック。機械摘みより価格は上がりやすい。
- 真空・脱酸素:おみやげ向き。未開封なら常温暗所でOK。開封後は1–2か月で飲みきるのが目安。
どこで買う?(観光ルート別)
- 台北市内:永康街・迪化街・ホテル近くの専門店。少量テイスティング→100g単位がおすすめ。
- 産地へ行く人:阿里山・鹿谷・坪林・魚池の直売店。**収穫時期(春・冬)**は新茶に当たりやすい。
- 空港・量販:無難だが等級は控えめ。味の“当たり”を狙うなら街中で試飲を。
かんたん淹れ方・早見表
茶 | 湯温 | 抽出の目安 | ひとこと |
---|---|---|---|
阿里山高山烏龍 | 90–95℃ | 60秒 × 4煎 | まずは王道 |
凍頂烏龍 | 95℃ | 70–90秒 × 3煎 | 香ばし系 |
東方美人 | 90–95℃ | 60–90秒 × 3煎 | 蜜香を湯冷ましで |
木柵鉄観音 | 95℃ | 90秒 × 3煎 | 食後の一杯に |
文山包種 | 85–90℃ | 40–60秒 × 4煎 | 水出しも◎ |
紅玉18號(紅茶) | 95℃ | 2–3分 | ストレート推奨 |
金萱 | 90–95℃ | 60秒 × 4煎 | ミルキーで優しい |
※ 茶葉5g/150mlを基準に。好みで±10–20秒調整すればOK。
まとめ(おみやげ戦略)
- 香りの王道なら阿里山、香ばしコクなら凍頂、華やか一本なら東方美人。
- 重厚ローストは木柵鉄観音、軽やか&水出しは文山包種。
- 紅茶派には日月潭の紅玉18號、甘党には金萱。
最後は**春か冬の“等級札”**を見て、少量試飲→100gでキメるのが正解です。
スーツケースにひと袋、帰国後の“台湾の余韻”は想像以上に長持ちしますよ。