こんにちは、台感編集部です。
台湾には「仕事を変えるべきか?」「家を買ってもいいか?」など、人生の選択を神様に相談する文化があります。
それが「問事(モンシー/wènshì)」です。
今回は私自身が体験した、媽祖(まそ)と濟公(さいこう)による「問事」の実際の様子を紹介します!
🙏 「問事」って何?台湾では人生相談は“神様”にする!
台湾では、特定の廟(びょう:お寺)で、神様が人に乗り移って直接質問に答えるという儀式が行われています。
これを「問事(モンシー)」と呼びます。
💡 ざっくり言うと:
あなたの人生の悩みを、神様が“人を通して”答えてくれるんです。
🛕 問事の流れ(例)
- 事前予約 or 当日受付
- 人気の廟では整理券が必要なことも
- 名前・年齢・相談内容などを紙に書く
- 神明が降臨(憑依)する
- 神様が“媒介者(通常は女性)”に乗り移る
- 雰囲気がガラッと変わる瞬間あり
- 質問スタート
- 媒介者(=神様)が直接あなたに話しかけてくる
- 時にはお香の煙や音楽で神聖な空気に包まれる
- お告げを受ける
- 人間関係、引っ越し、健康など、なんでも相談可能
- はっきり「NO」と言われることも

🌊 媽祖での問事体験:慎重で落ち着いた雰囲気
私が媽祖廟で体験した問事では、静かで落ち着いた空気の中で神様と向き合いました。
- 媒介者の女性はとても冷静で、静かな語り口調
- 紙に書いた内容を見ながら、しっかりとアドバイス
- 「いまは動かない方がいい」「タイミングは来年」など、非常に具体的
まるで、人生経験豊富な占い師と話しているような感覚でした。
😆 濟公の問事体験:酔っ払い神様が現れた!?
次に体験したのが、あの破天荒なお坊さん・濟公による問事。
こちらは正直、日本人の私にはちょっと衝撃的でした。
- 神様が女性に“乗り移った瞬間”、その女性の様子が豹変!
- 酔ったような口調で、ゲップや笑い声を交えながら話し出す
- 質問に対して「そんなの当たり前だよ!」みたいな口調でズバズバ答える
でも周りの台湾人たちは真剣。誰一人笑っていない。
そして私が帰ろうとしたとき、濟公はこんな一言を残しました:
「信じなかったら、お前の家まで叩きに行くぞ〜(笑)」
……本気なのか冗談なのかわかりませんが、ちょっと怖かったので信じることにしました(笑)。
左が媽祖 右が濟公

📌 日本人が感じたこと
- 最初は「え?本当に神様?」「パフォーマンス?」と思ってしまう
- でも周りの台湾人の真剣なまなざしに驚く
- 神様=迷信ではなく、「人生の決断を支えてくれる存在」として深く根づいている
📝 問事は“宗教”というより“文化”
台湾の宗教観は、日本の「なんとなく初詣」とはまた違い、
神様と生活が本当に近いです。
- 迷った時に背中を押してくれる
- 「相談相手がいないときの心の拠り所」になる
- 家族ぐるみで神様に報告・相談する
この文化があるから、台湾の人々は困難に直面してもどこか前向きで、強くいられるのかもしれません。
💡 まとめ:台湾の神様は“人の中に宿る存在”
神様 | 特徴 |
---|---|
媽祖 | 慎重・母性的。安定志向の人に人気 |
濟公 | 自由奔放でユーモラス。元気が欲しい人向け |
あなたも台湾に来たら、ぜひ一度「問事」を体験してみてください。
信じるか信じないかは……神様の言葉を聞いてから、決めてみてもいいかもしれません。
台湾で信仰されている主な神様一覧
神様の名前 | 読み方 | ご利益・信仰内容 | 備考 |
---|---|---|---|
媽祖(媽祖婆) | マーズー | 航海・旅行の守り神 | 台湾全土で最も信仰が厚い。漁業・航空業者・旅人にも人気。 |
城隍爺 | チェンホアンイエ | 地域の守護神(町の神様) | 各都市・地域ごとに存在。治安・地域の平和を守る神。 |
關聖帝君(關公) | グァンシェンディージュン(グァンゴン) | 商売繁盛・義理人情の神 | 商人・警察・軍人に信仰される。三国志の関羽がモデル。 |
福徳正神(土地公) | トゥディゴン | 土地・家庭・商売の守護神 | 店の前などによく祀られる。福をもたらす庶民の神。 |
月下老人 | ユエシャーロウレン | 縁結び・恋愛・結婚の神 | 恋愛成就の人気神様。赤い糸を結ぶ神。 |
保生大帝 | バオションダーディ | 医療・健康の神 | 医療関係者や病気平癒を願う人々に信仰される。 |
濟公禪師(濟公活佛) | ジーゴン | 困った人を救う奇跡の僧 | 酒好き・ユーモアがあり、奇跡で悩みを解決してくれる神。 |
三太子(哪吒太子) | サンタイズ(ナタ) | 子供・若者の守護神 | 神将・戦の神としても人気。陽気な性格で親しまれる。 |
玄天上帝 | シュエンティェンシャンディ | 北方の守護神・悪霊退散 | 台湾北部で特に人気。 |
王爺(王爺公) | ワンイエ | 疫病退散・地域の守護 | 王船祭などの大規模な行事で祀られる。 |
七娘媽 | チージャンマー | 子宝・安産・子どもの守り神 | 子どもの誕生や七夕のお参りに信仰される。 |
註生娘娘 | ジュションニャンニャン | 妊娠・出産の神様 | 妊婦・夫婦に人気。安産を願う。 |
太陽星君・太陰星君 | タイヤンシンジュン・タイインシンジュン | 太陽と月の神 | 暦や干支、命運を司る。 |
📝 補足:信仰スタイルの特徴
- 台湾では、一つの廟(寺廟)に複数の神様が祀られていることが多いです。
- 例えば媽祖廟には媽祖だけでなく、月下老人や三太子がいることもあります。
- お参りの際には、**お線香や供え物、紙銭、問事(神様に質問)**などの文化も体験できます。